『キッチン・ストーリー』


監督/脚本/制作:ベント・ハマー
出演:ヨアヒム・カルメイヤー、トーマス・ノーシュトローム
2003年 ノルウェースウェーデン


【あらすじ】
舞台は1950年代。キッチンにおける主婦の行動心理学を研究し、一定の成果を上げたスウェーデンの家庭研究所。彼らが次の研究対象としたのは独身男性の行動パターンだった。その調査のため、ノルウェーの田舎町へ送り込まれた調査員のフィルケ(トーマス・ノーシュトローム)は、年老いたイザック(ヨアヒム・カルメイヤー)を担当することに。より正確な調査結果を出すために「調査対象と会話してはならない」というルールが設けられているのだが、ひょんなことからフィルケはイザックと話してしまい、2人は徐々に少しかわった関係を築いていくが…。


【感想】
実在する行動研究学の文献の記述を基にして構想されたというこのお話。
調査員が無言で6週間も台所に居座る、ってだけでも面白い画になるのに、
独身男性、しかもお互いの事を常々バカにしているような
スウェーデンノルウェー、両国の男2人の話なんだから
もう面白くないはずがないですよね。


調査が始まって、2人が話し出すまでの流れは
シチュエーション・コメディのようで、
小劇場の演劇を観ている様な感覚に陥ってました。
大げさな感じではなくて
クスクスと笑わせる感じが良かったな。


少しずつ友情を深めて行く中年男2人の様子は
どこかおかしくもあり、でもジンワリと心にしみいる温かさもあって
お話が終わる頃には
少しかわった2人の友情を羨ましく思ってしまいました。


最近よく、信頼関係を結ぶ事って難しいなあとつくづく思います。
色んな共通項が有っても、相手のちょっとした事が気になって
うまく行かなくなったり、疎遠になったり、
信用できなくなってりする。
忙しない毎日のなかで
焦らずじっくりと関係性を育てて行く、ってことを
なかなかやってないのかもなあと自省したりしました。


ノルウェーの自然や、北欧らしい小物や衣装の感じもいい感じの本作。
かもめ食堂』あたりが好きな人には
オススメですよ。


キッチン・ストーリー [DVD]

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